ニンジャ感想『モータードリヴン・ブルース』#7・エピローグ

「寝ているとうまくいった」

ミヤモト・マサシの珠玉のコトワザに新たな1ページ。「果報は寝て待て」も言い換えればこうである。切り口に関係なく、事実は事実なのだという事を僕らに教えてくれるようだ。寝ているとうまくいった……マサシは実際うまくいったのであろう。その時は。彼のコトワザはいつだってストレートで、直接的に僕らの胸を打つ。だから、惚れる。

「モーティマーは(略)あまりに人格的資質を欠いた!」

ヘルオンアース時、社長室で彼とともにモーターヤッターしていたエンジニアのほかに、社長を見限っていた派閥が存在していたということか。それがタイサだったのであろうか。……そして、彼は。理想の経営陣がいない? ならば、作り出してしまえばいいのだ! 「カネダ・オムラCEOは違う!わかるか!アルベルト会長をも超える真のモーターイズム時代が、彼の手でもたらされるのだ!」……「ぼくの考えたさいきょうのCEO」ですね。

デアエ!デアエーッ!

タイサによる警備兵への緊急指示。「例会は予定通りです」はどこへいったのか。ザイバツの「クセモノダー!」よりはるかに優れた警報だと思ってたのに!! やはりニンジャの侵入を相手にするにはわかりやすく伝えるしかないのか! デアエ!デアエーッ!クセモノダー!!

モーターガッタイ

変形を取り入れたドラグーンを擁するオナタカミ。しかし、やはりオムラは(夢という点で)先を行っていた。三天使合体ロボ、モーターガッタイ! いかに社長不在のモーター理念とはいえ、これは兵器としてはまさしくモーターシリーズだ! そのオムラらしさには思わず感嘆。ネーミングもイカス。モーターガッタイ。「「「オームラ!オムラ!オームラー!」」」そりゃエンジニアも泣くわ。

モーターシリーズがエピソードのラスボスを務めるのは「ビガー・ケージズ」のモーターツヨシ、もしくはフジキド単体の敵としては「オウガ・ザ・コールドスティール」のモータードクロにまで遡る。ニンジャスレイヤーを苦戦させた点も含め、モーターガッタイはそれらと遜色ないボスキャラだったといえるだろう。

「オムラは!終わったんだァー!ウオオーッ!」

しかしその「モーターイズム」に、我らが社長は反旗を翻して特攻した。川原で目の当たりにした「現実」が、彼に、人間を実験動物扱いする科学の間違いというものを……実感させたのだろうか。かつての自分の指示を振り返り。噛みしめて嘔吐し。最終的に、これが彼の示した答えなのだ! 「モーター理念」という夢は、夢でしかない。だからヘッズ人気も集めたが、それは人の犠牲なしには成り立たないのだと。モーティマーはついに現実を見た。そのとき、モーター理念は終わるのだ。

エピローグのラストにて、モーティマーはただの工場労働者として姿を消した。一介のモータルだ。それが地に足のついた47歳の姿……。僕などは、それは寂しいとも思う。確かに夢はない。ちょっと、悔しい。でも彼は、それを選択したのだ。実際、それが現実というものの、姿なのだから……。