W.C.フレンズの感想(ジャンプ20号)

いやーこれは面白かった。各所でも好評ですがやはり面白いのでとりあえずこれだけは感想します。

書き分けの、その先へ

主人公の郁子のデザインが絶妙だなーと思いました。いわゆる典型的美少女じゃないんですよね。明確に美人である友人の深雪と対照的に、本人の言うとおりの「並フェイス」が絵で表現されている。この絶妙さを書き分けられる漫画って稀有で、設定上地味な女の子でも作画上美人になってしまうのはよくある話。しかし藍本先生は針の穴を通すようなコントロールで郁子を、言うなればちゃんと「微妙」にしたのだ。この画力がなければこれほどのリアリティは出なかったに違いない。

モテない系女子×トイレ

言うまでもなくトレンドな題材であるモテない女子。それを「便友」と結びつけてテーマにしたのは現代学校事情もあるのでしょうが、やはり題材選びの妙だなと。だってこれ基本的には「友達を作りたい女子の話」であって、話作りとしてはトイレと結びつける必要があまりないんですよ。うんこネタ使いたいからじゃないか、とすら考えたくなります。やはりトイレが絡んでくるとインパクトが違います。マーケティングの勝利です。

女の子という風景

しかし私にとっての白眉はなんといっても深雪様。クールで、どことなく粗雑で、ワイルドで、うんことか言えちゃう美人。素晴らしいキャラ造形だ。ここで美人のほうに心が動いちゃうのが男の悲しい性であり、見事にこの読切のテーマにも合致してしまうのですが、魅力的なもんはしょうがない。そして彼女は友情を大切にする。正論を口にし、ヤキモチをやき、郁子とベストフレンドだ。心あたたまりますね。「女の子の情景」というものはやはり美しい。「MY GOD!!」「トイレもというんこしてくるような女と」彼女ら、セリフもユニークで楽しいんですよね。楽しい女の子の風景。いいと思います。あざとい萌えキャラなんかより、ずっといい。

うんこしてくるから

作中では「うんこ発言は引かれるもの」として扱われていますが、やはりそうなのかね。実際あのくらいの美人が平気でうんこ発言とかしたら私などは興奮しかしないのだが。これはスカトロとかそういうのではなくてですね。うんこ言えちゃうような開けっぴろげな精神性がイイんです。とはいえ、わたくし日常生活に支障をきたすくらい女の子が好きなので自分の感覚もアテにならない、とも思いますが。