週刊少年ジャンプ06・07号感想

ここ最近のジャンプの質の高さには感心しきり左衛門であるため、毎週とまではいかなくとも書きやすい、そうであったらいいな、という公算が高いと言えるのではないか? そういった噂が無いでもありません。

黒子のバスケ

黄瀬のバックに青峰、赤司の顔がダブる映像。キセキの世代の「主将」と「エース」を同時に降霊しているのである。もはやラスボスのスペックと言っていい。「青峰の敏捷性」と一言書き加えるだけで1ターンに複数回行動できるため、ほとんど5人前の働きができる。本来のラスボスである赤司くんはコレを超えなきゃいけないとかハードル高すぎてかわいそう。

ワンピース

王下七武海という連中は、ミホークの初出がピークでそこから格が下がり放題になっている感は否めない。ミホークの格自体は今でもさほど下がってはいないのだけど、クロコダイルを下し、ジンベエと肩と並べて戦い、ハンコックを惚れさせまでした今となっては、ドフラミンゴ単体でボスキャラたりえるか難しい気がするのである。まして今なんて、パーティメンバーに同じ七武海のローがいるわけで……

ニセキュー

今まさに大会で強豪校を翻弄している烏野の主力たちを相手に完勝できる女子高生。まさしく神と人との戦いであった。可愛くってラブリーで、かつ最強。まじめにスポーツするだけの人々は、ラブコメまんがの神々には触れることすら適わぬのだ。ヒロインというものの神性をよく表した怪作。

ハイキュー

まあ単品ならこの漫画は最強だねえ。スポーツの対戦相手をバトルの「ボスキャラ」にして凄味を出すのがジャンプ風なわけだが、伊達工の面々、エースブロッカーの青根くんも徹底して少年だ。囮作戦が決まって東峰のスパイクが決まるのは言わば予定調和で、誰もがわかってた展開なのにカタルシスがあるのは凄い。ハイキューは徹底して丁寧な描写により陳腐な展開を鮮やかに読ませてくれる事が多い。

斉木楠雄のΨ難

最後の展開は大変に面白く読みました。成功してる既存の設定に安住しない攻めの姿勢だ! 常に安定してる漫画だけどさらに一歩踏み込んでる感じがしてゾクゾクします。

氷上布武

と、思ったらその横で大石先生が二歩も三歩も前に進んでるっていうね。もはや今年最高の読みきりが決まってしまったか。最初の霊感トークが布石とか、読みきりならではなのかもしれないけど、ここまでの構成力を連載陣に見た覚えがあまりないというか……。斉木といい、ギャグ漫画のほうが構成が練りこまれて見えるのは昨今の方針なのか? ギャグ連打からの突然のネタばらし、回想の続きを挿入しつつのラスト。演出と構成の塊みたいな作品だった。大石先生はもうドラマの脚本とか書けると思う。「寒いところでスベるのが〜」最後のセリフはギャグ作家だからこそ出てきたセリフ回しだろうに、感動に繋げるという異次元の手法だ。