ニセコイから考える体液論(ジャンプ18号感想にかえて)

今週号のジャンプ、ニセコイに衝撃的シーンがありました。チョコをねだる舞子君に対し、るりちゃんは「鼻をかんだティッシュを渡す」という奇抜なリアクションで応えたのです。皆さんの常識に照らしても、これは異常行動と言うほかない筈です。異性相手に、いや同性であったとしても、仮に嫌がらせでもあんな事をするでしょうか。るりちゃんは何故、あのような事をしたのか? もしくは作者はなぜ、あんな事をさせたのでしょうか……。考えられる理由はいくつかあります。

(A)るりちゃんが軽度のコミュ障である

日頃、休み時間に誰とも喋らず読書している彼女。友達らしい友達も、小野寺さん以外に見当たりません。彼女は恋愛経験もないと明言しており、男の子と仲が良いわけでもなさそうです。しかしひとたび舞子君と絡むと、なかなか苛烈な暴力を振るう事も。あれは、接し方がわからないのではないでしょうか? 今回のティッシュも、そのままポッキーを渡すのが気恥ずかしかった彼女がついしてしまったリアクション、と考えることもできます。

(B)好意の表現である

以前からメガネ同士、2人はフラグが立ちつつあります。個人的には支持したくない説ですが、るりちゃんがある程度の好意を彼に抱いている事も、まあ、ありえます。単に既製品のポッキーを渡すのも味気ない、と思ったのかもしれません。そこで彼女は愛情の証として体液のついたティッシュを渡したのです。相手からも好意があれば、好きな女の子の鼻水が貰えるのは嬉しいハズ!(力強く)しかし舞子君には鼻水趣味がなかったので「つれないなー」と流されてしまったのでした。

(C)恋愛脳の読者への牽制

人と話してて出た話なのですが。作者視点の話になりますが、メガネ2人のフラグ状況を見て「この2人明らかに意識しあってんのに、なんでくっつかないの」と思う読者がいたとします。恋愛大好きな読者さんなら有りえる話です。そしてこれは、その疑問に対するアンサーとしての「お前にチョコなんかやんねーよ」であると。しかも、舞子君はティッシュを喜んでいません。好きな女の子のティッシュなら悦ぶのでは? ここから、舞子はまだ、るりちゃんをそれほど意識していないという事実を読み取る事もできます。

(D)鼻水は汚くない、という認識である

思うに古味先生は「美少女はうんこしないよ」派なのではないでしょうか。つまりその延長として、鼻水が汚いという発想がそもそもない。女の子の鼻水は、無機質で透明な、天然水のようなもの、という事ではないだろうか。あの世界では。つまり……体液を相手に掴ませることも、もちろん嫌がらせになりえないし、水を含ませたティッシュを渡しただけみたいなものだ。これによって、るりちゃんが本当に「興味なし」である事が描写されています。

(E)なんも考えてない

ノリで。意味はない。


……以上です。いかがでしたでしょうか。僕としては(D)あたりを推したいところですが、げに恐ろしきは、成人男性にここまで考察させる「女の子の鼻かんだティッシュ」の恐ろしさよ。僕? もらえたらもちろん悦びます。あのコマ見ると、満たされない何かが溜まっていくもん。僕もあんな青春を送りたかった。女の子の鼻かんだティッシュが貰える青春を送りたかった。

マジで送りたかった。